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ターンオーバーとは【肌の生まれ変わるサイクルの事です】
「ターンオーバーについて説明しなさい」
エステティックの試験では、実技の試験の最中にこのような事を試験官から聞かれます。これを口頭試問といいます。
口頭試問は手を止めずに、施術をしながら答えなければなりません。
たとえば
「肌が生まれ変わる事をいいます。表皮が常に、新しい細胞に置き換わっていく事です。」
これでも、間違ってはないですよね。
ただし、これだけではその後にもっと詳しい内容の口頭試問が続いて行われる可能性が高いんです。ですので最初から知ってる知識をまとめて全て伝えてしまうのがコツです♪
そのためにはターンオーバーの生まれ変わりが起こる皮膚はどうなっているのかを理解してより深く伝えていけるようにしておく必要があります。
そのために簡単にですが、肌のターンオーバーについて解説していきますね⭐︎
皮膚の基本的な構造
まずは皮膚の基本的な構造からです。
皮膚は3つの層で作られています。
表面から
表皮
真皮
皮下組織
の順番になります。

さらに表皮は4層に分ける事ができます。
肌表面から
角質層
顆粒層
有棘層
基底層
の順番です。
ターンオーバーとは
基底層で基底細胞となり、扁平な形になりながら押し上げられ、角質層になっていきます。
角質層になった後は垢となり剥がれ落ちます。
この基底層〜角質層になるまでに約2週間のサイクルで生まれ変わり、角質層になって垢として剥がれ落ちるまでも約2週間、合わせて4週間、約28日で肌が生まれ変わっています。

この生まれ変わりの事を、「ターンオーバー」と呼びます。
ターンオーバーは早すぎても遅すぎてもいけません
速くなると
角質細胞の生成が不完全な状態になります。
これを不全角化ともいいます。
細胞が不揃いで小さいため、保湿機能の低下、バリア機能も弱く乾燥しやすい状態になります。
肌荒れなども起こしやすくなるため、健康な肌ではありません。
皮膚が炎症を起こした場合におこります。
日焼けによる炎症はターンオーバーが1週間くらいになる事もあるとのこと。
速くなってしまった方へのアドバイスは
バリア機能が低下しているため、肌に優しい成分を使用しましょう。
ローションパックの回数を増やすのもおすすめです。
炎症状態ならば、クールダウンの方を優先します。
しばらくは乾燥しやすい状態が続きます。
体内からも水分補給を維持しておくようにします。日焼けには日頃から気をつけましょう。
遅くなると
角質細胞が剥がれるまでに時間かかかると、古い角質が肌表面に留まっている事になるので、艶や滑らかさがなくなってしまいます。
そして、古い角質が溜まる事により、くすんで見えます。
老化や寒さによる代謝の遅くなることが原因です。
遅くなってしまった方へのアドバイスは
ディープクレンジングを行ってあげるといいでしょう。
角質を優しくふきとるローションや、ジェル状でポロポロとクレンジング感覚でできるものもありますよね。
もちろん、ディプクレンジング後の保湿はしっかりと行ってください♪
ターンオーバーにより作られる天然のW保湿✨
ターンオーバーをする過程で、皮膚の細胞は天然の保湿をする2つの成分を生み出します。
NMF
NMFとは天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor)という、水溶性の成分です。
皮膚内部からしみ出てくる水分を角質細胞内に取り込みます。
また角質細胞を構成する”ケラチン”を柔らかくします。
角質細胞間脂質
角質細胞間脂質はNMFの水分を逃さないように角質細胞の周りを固めてくれています。
上記の2つはレンガのように積み重なっている角質の間にあります。
角質の間で肌の潤いを守ってくれているのですね。
それが、なんらかの影響で上手に作られなくなった時に肌にトラブルが発生しやすくなるわけです。
まとめ
「ターンオーバーについて説明しなさい」
と口頭試問があった場合、私なりの模擬回答は
「肌の生まれ変わる事をいいます。
表皮が常に、新しい細胞に置き換わっていく事です。
ターンオーバーは約28日周期です。
表皮内の基底膜〜角質層まで押し上げれるのが約14日、角質層になり垢となるまでに14日を要します。
その期間は早すぎても、遅すぎても肌トラブルを招きやすくなります。
またターンオーバーの過程でNMFと角質細胞間脂質の肌の保湿機能も作られます」
と回答します。
これくらいまで、答えられたらこの口頭試問については、マイナスにはされないと思います。
以上です。
いかがでしたか。エステ試験対策の一部を簡単にですがお伝えいたしました。エステティック実技試験の口頭試問では、プランニングした内容に関係のある事が聞かれる事が多いですが、肌や、解剖学、衛生、栄養など、基本的な事も聞かれます。緊張しても答えられるように台詞のように準備をしておく事をお勧めします♪
参考文献:日本エステティック協会 新エステティック学Ⅰ